後立山南部(長野) 爺ヶ岳中峰(2669.9m)、南峰(2660m) 2022年9月23日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 1:58 柏原新道登山口−−2:49 ケルン−−3:51 アザミ沢−−4:00 ガレ沢−−4:22 種池山荘−−5:10 爺ヶ岳中峰 5:20−−5:34 爺ヶ岳南峰−−5:56 種池山荘−−7:08 柏原新道登山口

場所長野県大町市/富山県中新川郡立山町
年月日2022年9月23日 日帰り
天候曇後雨
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場登山口前に駐車場あり
登山道の有無あり
籔の有無無し
危険個所の有無無し
山頂の展望南峰、中峰とも邪魔するものがなく晴れれば大展望
GPSトラックログ
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コメント予報通りに雨に降られ傘が大活躍したが、種池山荘から山頂までの登りでは雨が止んだし、高山には雲がかからず立山剱岳、鹿島槍も見えたので良しとしよう。明日も雨予報なのに20人くらいが雨の中を登っていった




柏原新道前駐車場。出発時は計5台しかなかった 扇沢駅の光
種池山荘 南峰登りの途中から振り返る劔沢小屋の光が見えた
冷池山荘とテント場の光 日の出前に爺ヶ岳中峰に到着。この時の雨は微弱
爺ヶ岳中峰から見た常念山脈方面。雨で視界が悪い 爺ヶ岳中峰から見た爺ヶ岳南峰方面
爺ヶ岳中峰から見た立山、剱岳方面 爺ヶ岳中峰から見た大町、安曇野方面
爺ヶ岳中峰から見た鹿島槍ヶ岳と北信の山々。妙高火打方面の方が天気がいいようだ
ミヤマダイコンソウの紅葉 ウラシマツツジの紅葉
爺ヶ岳中峰を振り返る 爺ヶ岳南峰山頂。徐々に雨が強まる
爺ヶ岳南峰から見た南〜西〜北〜東の展望(クリックで拡大) 南側は雨で煙っている
爺ヶ岳南峰から見た種池山荘に続く稜線 この赤い葉の木の種類は不明
ミネカエデは紅葉し始めていた チングルマは全く紅葉していなかった
お花畑はまだ紅葉していない 種池山荘。再び本降りの雨
ミヤマアキノキリンソウ 扇沢は雲に覆われていた
雲の層に突入 オヤマリンドウ
対岸の駐車場は半分くらい入っていた 雨なのに登山指導所には人が入っていた


 先週の敬老の日の3連休は台風の影響で連休初日のみ山に入ったが、今回の秋分の日の3連休もまた台風の影響が。おまけに前線も本州上に停滞して初日から土曜日にかけて雨の予報。しかし金曜日の北アルプス北部は予報によっては早朝ならどうにか雨が降らない確率があり、比較的短時間で登れて樹林帯が長く傘が有効に使える爺ヶ岳を目指すことにした。なお、連休最終日の日曜には天候が回復する予報で、土曜日を休養日とすれば問題なかろう。

 雨が降る金曜夜の柏原新道登山口前駐車場は4台の車あり。金曜日も天気が悪いのに入山者がいて、しかもこれから2日間も雨予報だというのに。私は日帰りなので雨でも我慢できるが泊まりで雨では可哀想だ。夜中に扇沢へと上がっていくい車はあったが登山口前駐車場に車は増えなかった。登山口の気温は真夏とは違ってこの時期らしく涼しくて快適だった。

 雨は時間経過と共に降水確率が上がるので山頂到着は日の出を狙って午前2時に出発。雨は降っていないが星は全く見えない。雨の確率は50%程度はあるので雨装備は万全として傘を持ち、ボロゴアではなく防水性能が劣化していない下界用の雨カッパ、ウェストポーチの雨対策としてビニール袋に小分けして物を収容しデジカメも袋に入れておく。ザックの中身もビニール袋。手袋は防水防寒手袋にした。気温は高めだが山頂付近では南風が強いと予想されているので、稜線に出たら傘が使えずカッパを着る必要があるだろう。

 真夏よりは気温は低いとは言ってもこの時期の夜中にしては気温は高めで半袖半ズボンでも寒さは全く感じない。体が温まると暑さを感じるようになり扇で扇ぎながら歩く。扇沢駅方面には雲がかかっていなかったが大町、安曇野市街地方面には雲がかかっているようで夜景がぼやけていた。

 途中からガスの層に入り高度を上げてガスが晴れても頭上には星は見えないまま。それでも雨が降っていないだけマシだったが、午前3時くらいから雨が降ったり止んだりするようになり傘の出番。昨日見た天気予報の中では最も悪い予報が当たっている。樹林帯は無風であり傘が大いに役立つ。特に今日のように気温が高めの日にカッパを着て歩くと雨に濡れない代わりに蒸れて自分の汗で濡れてしまうだろう。傘なら通気性抜群、と言うか汗の発散を邪魔するものは皆無なので快適である。

 午前4時くらいから本降りの雨となり傘では足元が濡れるくらいの強さとなり、今回は山頂登頂は諦めて種池山荘で引き返そうかとも考えるようになった。この強さの雨で風の強い稜線に出たら防水性能がほぼ失われた私の登山靴では内部浸水は必至である。好天が予想される日曜日の登山を考えれば靴の浸水は避けたいところだ。

 しかし予想に反して雨は徐々に弱まって種池山荘に到着した4時半前にはほぼ上がってくれた。稜線はガスの中だと思っていたが種池山荘にはガスはかからず、爺ヶ岳南峰はシルエットとして形状が見えている。そのうちにまた雨が降り出すのは間違いないが、少なくともそれまでは山頂を目指して登ることにした。小屋の明かりが眩しいくらいだが小屋の前は無人であった。この天気でまだ真っ暗な時間帯では屋外でまだ動きは無くて当然だろう。

 真っ暗なお花畑を通ってハイマツの稜線に出ると意外にも立山、剱岳の稜線がシルエットとして見えており、あちらにもガスがかかっていないことが分かった。劔沢小屋の明かりも見ることができた。爺ヶ岳南峰山頂付近には登山者のライトの光が。この天気でももう歩きだしている人がいるとは。冷池山荘の光と共にテント場にも光あり。この天気で幕営とはその気力に恐れ入る。

 一時的に矮小なシラビソ樹林帯に入ったところで傘を収納して上下ともカッパを着る。下界用のカッパは不便で靴を履いたままズボンを履くことができないので、一度登山靴を脱ぐ必要がある。今は雨はほとんど止んでいたのでこの作業は簡単にできたが、本降りの雨の中で靴を脱いだり履いたりするのはかなり面倒で傘が必須である。風があったら完全にアウトだろう。

 再びハイマツ帯に出ると南風が強まり僅かな雨粒が横から吹き付ける。気温は相変わらず高めで手袋無しでもどうにか歩けるくらいだが、長時間晒されると手が冷たくなるのでザックから防水防寒手袋を取り出した。南峰に見えていた明かりは鹿島槍方面に向かっているものと思っていたが、予想に反してこちらに下ってくる登山者であった。ヘッドライトではなく手に持った強力なLEDライトで逆光状態だったので、どんな登山者だったのか全く分からなかった。

 徐々に周囲が明るくなってきたが僅かに雨が降る天候で厚い雲に覆われているので午前5時を過ぎてもまだライトが必要な明るさであった。南峰は多少は明るくなるであろう帰りの立ち寄ることにしてまずは中峰へ向かう。北峰付近に登山者らしき光が見えたが動きがかなりゆっくりで、私が中峰に到着した後に光は見えなくなってしまった。もしかしたら赤岩尾根に入ったのだろうか。

 まだ日の出前の暗い時刻に爺ヶ岳中峰に到着。雨は僅かに降る程度で雨具は不要な強さであり助かった。十分な明るさでないのでデジカメのシャッター速度は遅いしカメラのオートフォーカスが効かずにピンボケ風景写真になってしまったが、針ノ木岳、立山、剱岳、鹿島槍ヶ岳など主要な山々にガスはかかっていなかった。雨の原因の雲は高度が高い雲のようだった。南ほど雨が強いようで南側の展望は白く靄がかかったようになっていて、餓鬼岳よりも南側の山々は見えなかった。それに対して北側は比較的雲が薄いようで、  火打妙高方面の空は明るかった。東の空の水平線方面は雲に覆われて日の出は見えそうになかったし、志賀高原の山々も見えなかった。

 あまり疲労は感じなかったが腹は減ったのでパンを齧って山頂滞在10分で下山開始。まだ日の出前であるがライトが不要なくらいまで明るくなっていた。雨は少しずつだが強さを増しつつあるように感じられた。まあ、このままずっと小康状態というわけにはいかないだろう。

 爺ヶ岳周辺の森林限界を超えたエリアでは紅葉の要素は少ないが、ウラシマツツジの葉は真赤に変わっておりミヤマダイコンソウの葉も紅葉しつつあった。爺ヶ岳南峰に立ち寄ったが雨が徐々に強まって風も強く、デジカメのレンズに雨粒が付着しないようにするのに苦労した。南峰から見下ろす県境稜線は紅葉はまだこれからであった。今年は9月に入ってもなかなか気温が下がらないので紅葉は遅れそうだ。

 南峰から下っていると鹿島槍方面へ向かう数人の登山者とすれ違った。この天候でも縦走するようだ。軽装で種池山荘から爺ヶ岳往復らしい人も見かけた。種池山荘に到着する頃には本降りの雨に戻っていたが、風が強い稜線を通過したので一安心。樹林帯に下ったところでカッパを脱いで雨対策は傘に切替える。さすがに風が無い樹林帯ではカッパを着て歩くと暑さを感じて汗が出てくるので、カッパを脱いで傘を差して歩くと快適だった。

 この雨の中でも登りの登山者とは計20人程度とすれ違った。傘を使っていた登山者は私以外は皆無だったが、登りでゴアだと間違いなく自分がかいた汗で蒸れて濡れただろう。傘の快適さを他の人に知ってほしいものだ。

 登山口の登山指導所は驚いたことに人が入っていた。9月だと無人だと思っていたが、もしかしたら3連休は特別だったのかも。これから登るパーティーもいて、明日も雨予報なのによくもまあ入山する気力があると感心する。私にはもう無理だな。

 

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